英語で『食物アレルギーおよび食物不耐性がある場合はご注文前にお知らせ願います』

ホテル、旅館

『食物アレルギーおよび食物不耐性がある場合はご注文前にお知らせ願います』

If you have a food allergy or intolerance, please let us know before placing your order.

少し詳しく

食事を提供している施設向けの案内文です。
レストラン、ホテル、カフェ、喫茶店、旅館、フェリーなどでご活用いただけると思います。

私は宿泊予約を受け付ける部署にいましたが、予約の際にアレルギーや宗教の関係で食べられないものがある方、ベジタリアンやビーガンの方から問い合わせを受けることがありました。海外旅行となると旅先での食事は気になるところですよね。

旅館は1泊2食付きを基本としている施設が多く、その場合は食事内容が決まっていますので、事前にお客様のアレルギー情報を聞いておきたいというところも多いのではないでしょうか。
「アレルギーをお持ちの方は事前にお知らせください」と注釈を記載している旅館を多く見かけます。

食事の要望を聞く言い回しはいくつかありますが、今回はオーソドックスな文です。

“a food allergy or intolerance = 食物アレルギーおよび食物不耐性”
日本では「アレルギーをお持ちの方は」とだけ書いているところが圧倒的に多いように思います。
ですが英語圏では「食物不耐性」までをセットで記載しているところが多いので、そのまま紹介しています。

厳密に言うと「食物アレルギー」と「食物不耐性」は別もので英語ではしっかり区別されているということだと思いますので、このとおり記載するのが無難だと思います。

食物アレルギー(アレルギー性疾患)
定義・概念
 食物アレルギーは,食物を摂取することにより引き起こされるが,食物摂取による生体への傷害性の反応(adverse reactions to food)は,毒性反応と非毒性反応に大きく分けられ,食物アレルギーは非毒性反応に含まれる.
 非毒性反応には,食物アレルギーのほかに食物不耐症(food intolerance)があり,食物アレルギーが免疫学的機序により惹起されるのに対し,食物不耐症は先天性代謝異常(ラクターゼ欠損症など)をはじめとした非免疫学的機序に起因する多様な疾患よりなる.

コトバンク 内科学 第10版 「食物アレルギー」の解説

“please let us know = (私たちに)お知らせください”
こちらは定番中の定番の表現です。”us = 私たち”は「施設」のことを指しています。
例えば、上司や同僚、友人とのやり取りで「私だけ」に知らせてほしいと言う時は”let me know”になります。

“before placing your order = 注文前に”
”place”は「場所」という名詞として知っているかもしれませんが、「を注文する」という動詞の意味もあります。

place/pléɪs/
動・他
10 〈品物〉を注文する, 〈注文〉を〔…に〕出す〔with〕
例文:Yes; I’d like to place an order, please.(はい,注文をしたいのですが)

『ジーニアス英和大辞典 用例プラス』 大修館書店

こちらの例文にある“place an order”で「注文する」という形でよく使われています。
海外のショッピングサイトを見ると、買い物カゴの部分や商品ページに書かれています。

冒頭で少し触れましたが、食事の問い合わせはアレルギーだけではなく宗教やベジタリアン、ビーガンなどの理由で食べられないものがある方もいます。何度かに分けていろいろな言い方を紹介します。

どんな場面で使えるの?

今回は「注文前」と明記されているので、レストランのウェブサイトやレストランのメニューなど、アラカルトで自分で食事を選んで注文するタイプのお店で使う文です。

お席の予約画面で備考欄に書かれていると親切です。

もしくは電話で席の予約を取る際に口頭で案内するのにも使えます。ただ、聞いてしまうと「●●が食べられない」と英語で言われてしまうので会話に自信がない場合は、メールで教えてくださいと言いかえる方がよいでしょう。

If you have a food allergy or intolerance, please e-mail us before your arrival.
食物アレルギーおよび食物不耐性がある場合は、ご到着前にメールしてください。

ただ、こうなるといつまでに連絡がほしいなど制約をつけ加えたくなりますね。
別の回できちんと取り上げることにします。

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温泉チェーン、外資系ホテル、旅館支援など、宿泊業界に20年以上従事してきた中で「これ、英語で何て言うの?」を調べ続けてきました。
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現在は海外の映像に日本語字幕をつける仕事をしています。
英語のほか、フランス語、ドイツ語、ラテン語、トルコ語を鋭意勉強中。

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